日本大学法学部野宿研究会      
GalleryU| ソロキャンプ長瀞
2011年05月06-07日

野宿研究会へ入部後2年目にして初めてソロキャンプをすることにした。 野宿研に入ってからはソロキャンプもそのうちしたいと思っていた。 しかし、勇気と時間と道具が足りず、出来ないままでいた。 ところが今回、絶好の機会に恵まれることとなったのである。 今年の長瀞合宿が5月7日(土)、8日(日)に実施されることになり、6日(金)も空い ていた私にとって又とない機会となったのだ。 つまり、先に私一人長瀞へ赴き、6日を過ごし、7日に皆と合流しようと考えたの である。ソロキャンプをするための道具は既に一式揃っている。この機会を逃せ ば、今後ソロキャンプをやろうなどとは思わないだろうと考え、ソロキャンプ実 施を決心した。
ソロキャンプと言っても昨年の長瀞合宿で一度行ったことのある場所であるから 、少し生ぬるい気もする。しかしながら、ソロキャンプ初心者の私としては、入 門編としてこのくらいが調度良いと思われる。 いきなり一度も行ったことのない人里離れた山奥で一人キャンプするのはレベル が高過ぎる。最終的にはこのレベルに達したいものではあるが、順序が大切なの である。

5月6日(金)

 午後3時頃に目的地に到着する。上長瀞駅である。この地を再び訪れるのはおよ そ1年ぶりであったが辺りの景色も含め、鮮明に覚えていた。 昨年キャンプした場所の川辺は変わず綺麗であった。
少し辺りを散策したのち、テントを設置することにした。テントを張り終えたと ころで、次に持ってきたランタンを吊す用にトライポッド(三脚)を作ることにした。 それにはまず頑丈で長い木の棒が必要である。しかし、辺りを見回してもなかなか良い木の棒が見つからない。 そこで、持参した携帯鋸を用いて漂着した巨大な流木の枝を切り取り、それを利用することとした。 枝を切り落とすのはなかなかの重労働であった。 なんとか木を手に入れた私は、春休み中に習得したロープワークを駆使してトライポッドを作り上げた。 そこにランタンを吊すと、雰囲気がより出て良い感じになった。
 時計を見るとまだ5時過ぎであった。もう一通りし終えたので、他にすべき事が ない。暇なので川の流れを見ていた。時より川下りの一行が流れてくるだけで、 基本静かな場所である。こうやって一人時間の流れを楽しむのがソロキャンプの醍醐味の一つではないだろうか。
 6時半を過ぎると、徐々に暗くなってきた。そこでランタンを点けることにした 。なんとも落ち着く光である。蛾が集まってくるのが少し鬱陶しいが、これは蛾 の本能なので仕方ない。むしろ、寿命を縮めるような事をして申し訳ないという 気持ちである。 こうしてしばらくの間はランタンに突撃してくる蛾を観察する事で時間を潰して いたが、すぐに飽きてしまった。まだ9時過ぎであったが、やる事もないし、昨日 の伊豆ヶ岳での疲労が残っていたので寝る事にした。簡単に夕食を済ませ、テン トの中で横になった。

5月7日(土)

途中2回ほど目を覚ましたが、それを除いては朝6時過ぎまでぐっすり眠る事ができた。
 7時ちょっと前に朝食を食べる。メニューは暖かい紅茶とカロリーメイトである。 しかし、カロリーメイトをそのまま食すのではつまらない。そこで、伊豆ヶ岳にも持って行った トーストバーナーパッドでカロリーメイトを焼いてみることにした。 以前カントリーマアムを焼くとしっとりして美味しくなると聞いた事がある。 だからきっと似たようなカロリーメイトも焼いたら美味しくなるに違いない。 そう思っていた。
 実際にやってみた結果としては、美味しくなかった。ただ、熱いだけ。冷静に考 えてみれば、本当に美味しくなるなら、とっくにそういった噂を耳にしているであろう。 カントリーマアムを焼けば美味しくなるとは聞いた事があっても、カロリーメイトを焼けば美味しくなる、 とは聞いた事がない。聞いた事がないって事は要するにそういうことなのである。 人間、あるアイデアが閃いた時には自分こそが最初の考案者であると思っても、 実際にはとうの昔に誰が同じ事を閃いていて、既に試している人間がいるものな のだ。
 朝食後、いくつかやる事を済ませてから朝の散歩に出た。驚いた事に川辺の草村でキジに遭遇した。 しかもつがいである。昨晩、一度目を覚ましてテントを出た際に、子猫を一匹見たが、 キジまでいるとは驚きである。なんとかその姿を写真に収めようと奮闘した。 何枚かは捉える事が出来たが、いづれもキジの全体像を捉えたものではなかった。 なんとかキジの全体を捉えた写生が撮りたい。 そう思う余り、つい夢中になってしまって周囲への注意が疎かになり、追いかけている 最中に蜘蛛の巣に顔を突っ込んでしまった。 なんとも気色が悪く、途端に鳥のことなんかどうでもよくなった。
 本日7日はサークル全体としての合宿日で、私にとっては皆と合流する日である 。しかし、まだ8時過ぎ。集合時間の15時まで程遠い。15時まで何をして過ごすか 、それが問題である。

著_恒屋



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